コラム/ columns

腹膜の縦縫合(動画)

2020/04/29

 

今回は小ネタ的な話です。

TAPPの仕上げにあたる腹膜の縫合は横に運針することが一般的ですが、上から下、もしくは下から上に縦方向に運針するほうがやりやすい症例もあります。
たとえば女性などがよい適応になると思います。
症例は40代の女性、日本ヘルニア学会分類Ⅰ-2です。
フラップの両辺が均等のペースで運針されることが重要で、大きく偏ると最後に帳尻をあわせるのが煩わしくなるし、デフェクトの発生リスクも高くなります。
女性の場合は子宮円靭帯を切断しているため、横縫合だと背側のフラップがいびつです。
よく考えながら縫合しないといけません。
余計な頭を使わなくていいようにするなら縦縫合がいいと個人的には思います。

手前味噌な話ですが、東京外科では2,000例近いケースがあって腹膜縫合不全は一例も発生していません。

今後も絶対起こさないかどうかは約束しかねますが、バランスよく運針できるデザインを採ること、タイトに縫合すること、最後に触りながらデフェクトがないか確認することによりリスクを減じていると思われます。

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