コラム/ columns
そけいヘルニアとは?
腿の付け根が脹れる病気と患者さまは認識していますが、我々医師としては、お腹の中から見て穴があいている病気という認識をしています。
その穴に、内臓、多くの場合は腸が、はまることによって体の表面からふくらみが出て、患者さまは自覚しているんです。
そけいヘルニアの治療
昔は穴を糸で縫って縛り閉じるしか方法がなかったんです。
ところが、それだと再発率が高かったので、メッシュを入れて面で覆うことになりました。
そうすれば、お腹に圧がかかっても大丈夫です。
それが現代のそけいヘルニアの治療の基本的な考え方で、成人の方にはメッシュを使う事。
これはヘルニア学会でも共有されています。
従来は腿の付け根部分を切開するしかありませんでした
従来は、ももの付け根を切開するしか方法がなかったんです。
メッシュを十分な面積に敷くためには、切開は、やせている方でも3cmくらいは必要ですし、やはり傷としては大きくなってしまうんです。
腹腔鏡の場合は、5mmあるいは3mmくらいの太さの道具しか使いませんので、一つの傷が5mmくらい、縫ってしまえば一針で済んでしまうような傷です。
体の表面から見ればほとんどわからないですね。
腹腔鏡のメリット
腹腔鏡は、傷が小さく、そしてその分痛みもすくなく傷の治りも早い。
すくなくとも首都圏では、月に30人くらいの患者さんを日帰り手術しているのは当院だけですね。
腹腔鏡手術の手順は?
まずお腹に3カ所穴を開けます。
いずれも3mm~5mmの機械が入る穴ですね。
そのうち一つから、細いカメラを入れます。
モニターに映し出しながら、メッシュを入れて最後は縫うというのが治療のすべてです。
病院さんによっては12mmの穴をあけているところもありますが、当院では、お腹の手術をもともとやっていたとか、よほどの困難がない限りは、みなさん5mmで受けられます。
12mmと5mmは大きな違いがありますので、5mmでできるというのも、当院での手術の大きな魅力ですね。
日帰り手術ができる理由
麻酔のお薬も10年前と比べればずっと良いものができていて、日帰りに向いているお薬が数多く登場しています。
それをうまく使いこなせる麻酔科医と組んでいるんですね。
良い術後管理をしてくれる看護師と組んでいるというのも大事なポイントで、我々も術後の一般的な経過というのは人それぞれではありますが、色々なパターンを熟知していますので、看護師が、このタイミングになったら、水を飲んでいただこう、食事をしていただろう。
このタイミングが良く痛み止めが効いている時間なので、ここでトイレに行ってもらい、問題がなければ着替えてもらい帰宅してもらおう。
そういうふうなプログラムというものがあるんですよ。
手術後1時間ほどで帰れるように事前の問診や検査を実施
ほとんどの方が、クオリティコントロールをきちんとできているので、手術後だいたい1時間くらいでお帰りになります。
その達成には、手術前の問診、手術前検査。不整脈がないか、腎機能・肝機能に異常はないか、呼吸機能はしっかりしているか。
そういうことをしっかりお調べして、リスクの評価を、専門チームがしっかり管理しているんですね。
安心してご帰宅できるように手術前に徹底して問診などを行います
手術前の検査はもちろん当院で受けることができますけども、いままで大病したことがある、実はこんな病気があった、などは、ちゃんと手術前に調べお知らせしているので、金もうけ主義でなんでもかんでも手術しようというわけではないんです。
東京外科クリニックの体制について
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