コラム/ columns
2023–2024年度術成績報告書
対象期間: 2023年11月1日〜2024年10月31日
1. 要点まとめ
- 年間手術件数:653例
- 重大合併症率:0% (外科・麻酔ともグレード3以上)
- 日帰り不能率:0%
- 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術件数:586例
- 腹腔鏡下虫垂切除術:60例
手術・麻酔ともに高品質な管理を実現しており、患者様に安心して治療を受けていただける環境を提供しています。
2. 全体の手術成績
症例数:586例
- 手術時間
- 平均: 68.61分
- 中央値: 59分
- 最短: 19分
- 最長: 245分
手術時間の分布では、多くの症例が平均時間(68.61分)を中心とした範囲に収まっています。「±1標準偏差(SD)」とは、平均値からプラスマイナス一定の範囲を示すもので、この範囲内にほとんどの症例が含まれています。さらに特殊な症例(±2SD以上)では、通常の手術時間から大きく外れたケースを示しており、特別な注意を払った手術であることを意味します。
用語解説:
- 標準偏差(SD): 手術時間や在院時間の「ばらつき」を示す数値。平均値に対して±1SDは大半の患者が含まれる範囲を表し、±2SDは特に短いまたは長いケースを指します。
- +2SD:平均よりも非常に長い時間がかかった例を意味します。たとえば、退院時間が平均の2倍近い場合などを指します。
以下の図で示す通り、当院は幅広い症例に対応しますが、大半の標準的な症例は安定したスキルでこなされていることがわかります。
- 術後在院時間:
- 平均: 77.53分
- 中央値: 70分
- 最短: 30分
- 最長: 364分
在院時間も同様に、多くの症例が平均を中心とした範囲内に収まり、効率的な退院プロセスが確認されています。「+2SD以上」という表現は、平均から大幅に長い時間がかかった症例を指し、これは患者個々の特徴や特別な事情によるものと考えられます。
3. 鼠径ヘルニアの症例分類:
- L2: 288例 (49.15%)
- L3: 61例 (10.41%)
- M2: 48例 (8.19%)
- M3: 25例 (4.27%)
- その他: 164例 (27.99%) (LM併存、ヌック併存など)
大きいもの(L2が最も多いのはどこの病院でも同じです。L3やM3といった大きいものや再発や女性のNuck併存など多種多様なニーズにお答えします。
特記事項
- 重大合併症(いわゆるグレード3合併症以上のもの):0例
- 在院時間が最も長い症例:最終的に無事帰宅
1.364分
2.295分
3.240分
ごくまれにさまざまな理由で長期滞在される方がいます。
吐き気や要経過観察の事象の発生ですが、専門の医療スタッフが注意深く経過を見ていきます。