コラム/ columns
鼠径ヘルニア手術でアクセスポートの最大径が12mmか5mmかの差は非常に大きい。とくに臍は痛みが強く生じやすいので、これを如何に小さくできるかがインパクトが大きい。
単孔式: キズが一か所で済む分、一か所が大きく、相対的にリスクが高まる。基本的に胆のう以上の巨大臓器の摘出を伴う術式には有用性を認めるが、ヘルニアや虫垂炎の手術によい適応とは当院は考えていない。
胆のう摘出術: 肝下面という重要臓器が密集しているエリアにおいては最も操作しやすい4孔が安全。胆摘のために、器具の可動域が狭まるのは、合併症の備えとして得策ではない。
虫垂切除術: 単孔でも悪くはないが、5mmでも虫垂の摘出が可能とした当院術式においては、デメリットのほうが多いと考える。